金券ショップには悪質な店もある
ここまで金券の現金化のメリットについて述べてきましたが、注意しなければならないリスクも知っておく必要があります。
まず一番目は「悪質な業者の金券ショップ」です。
どういった点が悪質かというと「還元率をごまかす」ところです。
たとえば「還元率の調整」といったもっともらしい言葉を並べて、買取金額を低くするわけです。
悪質な業者だとお客の足元を見て、色々と文句をつけては買取金額を低くします。
どうしてもお金がほしそうなお客さんを食い物にしようととっさに見極めるわけですね。
確かに金券の種類は地方によっては多少金額が前後するものもあります。
需要に左右されますし、株主優待券などは有効期限や使える期間がありますから、残り期日がわずかだと値が変動することもあります。
しかしこうした正当な理由がない限り値切られてしまうのは悪質な業者です。
避けるべき金券ショップと言えます。
騙されないためにも事前に下調べして金券の相場を理解しておき、優良ショップを見つけておきましょう。
悪質業者に騙されないようにするには、やはり事前の調査と準備が一番です。
前もって現金化した場合の額を計算しておき、インターネット上での相場価格を調べ、実店舗を数軒回ってもっとも割の良いところを見つけだします。
探し出した優良店や高い相場の所で買い取ってもらうことを習慣にすれば、おのずから悪質業者に関わることもありません。
大きなデメリットを味わうこともなくなります。
制裁を受けるリスク クレジットカード会社との関係
二番目のデメリットとしてクレジットカード会社からの制裁があります。
社会生活を営んでいく上では、こちらの方が深刻な問題になる可能性があります。
クレジットカード会社は顧客の購入データをチェックしています。
あまりに換金率の高い品物ばかりを何個も購入している場合、疑いの目で見られます。
「カード決済を利用した転売目的の可能性あり」と警戒されてしまうのです。
法律的に違法というわけではありません。クレジットカードを使って商品を購入してるだけですから、まともな消費者行動です。
しかし利用規約をよく読んでみれば分かります。
こうした現金を得るためのクレジットカードの利用は「禁止」だと明言されているのです。
契約時にそこまで細かくはチェックしていませんが、立派な禁止事項の一文として謳われているので無視はできません。
それではなぜそんな禁止事項があるのか、という話です。
これには「所有権のあり方」が関わってきます。
例を出しましょう。
まずクレジットカードで何か商品を購入しても、すぐにその場で「自分の物」になったわけではありません。
考えてみてください。
購入代金が全額クレジットカード会社に支払われたわけではありません。
クレジットカードで買っただけでは、品物の所有権はまだクレジットカード会社にあるわけですね。
もちろん月々の支払いを完済すれば「自分の物」となります。
それからどうしようがクレジットカード会社が関知することではありません。
しかし最初から転売目的となると話が違います。
金券の手数料との関係の項でも述べましたが、クレジット会社の利益を大きく侵害してしまうわけです。
「不利益をもたらした」となるわけですね。
この観点からクレジット会社は現金化を目的としたカードの利用を禁止しており、発覚した場合のペナルティも厳しいです。
場合によってはクレジットカードの利用停止だけでなく、契約破棄、返済が済んでいない購入品の一括弁済といったことも要求されます。
還元率が高く人気のある新幹線の回数券などは特にチェックが入ります。
大量購入はすぐに気付かれて、身元情報から判断してこんなに購入するのはおかしい、不審だと思われます。
すぐにマークされると考えて間違いありません。
転売目的には換金性の高い品物が購入されるとカード会社も分かっています。
金券類でばれないようなものは無いと思っていた方が良いです。
とりわけ新幹線の回数券購入はリスクが高いです。
2000年代になると回数券購入は何度もテレビで取り上げられました。
一時社会問題になるほどの関連があった品なので、厳しい目が注がれていると思っておきましょう。
結論:金券購入での現金化は避けるべきなのか?
最終的な結論としては避けるべきと言えます。
これまで述べたメリットとデメリットを頭の中で比較してみてください。
クレジットカード会社の警戒すべき人物としてブラックリストに載せられてしまうのは、社会人としてデメリットが大きいです。
その不利益を考えても果たして危険を冒す価値があるかは疑問です。
すでに述べたように、新幹線の回数券は極めてリスクが高い商品です。
クレジットカード会社の警戒度がレッドゾーンであるのに、みすみすと足を踏み入れるようなものです。
またマスコミにも何度も取り上げられては発覚するケースが相次いでいます。
「危険印」としてこれほど分かりやすいマーキングはありません。
基本的に新幹線の回数券は六枚綴となっています。
区間によっては一セット数万円の額に及びます。
このように高額な金券を普通の人が何度も買うわけがないのは容易に想像がつくでしょう。
クレジットカード所有者の行動範囲や、これまでの購入履歴などの判断材料もあります。
ある日を境に突然複数もの回数券を大量に購入すれば、異様すぎてすぐに目をつけられてしまうのは当たり前と言えるでしょう。
またカード会社に違反が発覚して商品の一括完済の請求などがきたとします。
ただでさえ金策に走る必要があったというのに、余計な支払いに追われるとなると、何のために現金化したか分かりません。
特にこのペナルティのせいで消費者金融での借り入れなどに追い込まれてしまったら、もはやどん底まで真っ逆さまです。
「いや、新幹線の回数券を転売した現金がある!」などの声があるかもしれません。
しかし何かの入用があって現金化したのに、そうした余裕がある人は多くないでしょう。
請求の支払いが滞ってしまったら、さらにまたブラックリストに入ってしまうなど、未来にいらぬ禍根を残してしまいます。
甘い考えを持つべきではありません。
以上の理由から金券の転売はやめた方が良いです。おすすめできる手段ではありません。