イクメンに隠された落とし穴

男性のイクメン化は本当にいいことづくめ!?
イクメンという言葉の好き嫌いはあれど、一般に、男性が育児に積極的になることは大歓迎というムードがあるじゃないですか。男性が育児をすれば……
- ママの物理的、精神的負担が減る
- ママの笑顔が増えれば子どもにもいい影響がある
- 子育て中の女性のライフスタイルに多様性が増える
など、少なくとも子育てをするママたちにとってはいいことずくめのように語られがちです。しかし、本当に夫がイクメン化することはママにとっていいことばかりなのでしょうか。
男性は良くも悪くも単純な人が多いですから(笑)、一度のめり込むとそればかりにはまってしまうという習性があります。
また、男性にはこだわりをもちはじめると徹底的にこだわってしまう習性もあります。カメラにこりはじめると、徹底的にカメラのことを勉強したり、ゴルフにはまるとゴルフのことばかり考えていたりしますよね。
だから、それまで仕事や趣味やらに一生懸命で、子育てやら子どものことやらに興味がないと思っていた男性ほど、一度パパスイッチが入ってしまうと急激にイクメン化することがあります。
こだわりの強い男性が子育てにはまるとどうなるか。子育てにも持論ができあがり、ママの育児にいちいち口出ししてきたりするようにもなります。自分の子育て論がいかに正しいかを理詰めで説明したりするようになります。
どうです? ちょっと聞いただけでやっかいな感じがしませんか。
これがママたちが気づかない、イクメンの意外な落とし穴なんです。
「任せた」は放任ではなくて信頼

こだわりの強い男性が子育てにはまると、夫婦で子育ての意見が対立することも
ママの子育てに、パパがいちいち口を挟むようになると、ケンカが絶えなくなります。カーテンの色や、見たいテレビのチャンネル争いでは譲ることができても、世界一大事なわが子のこととなるとお互いに譲ることができません。それぞれが思う「ベスト」を貫きたいと思いますから。
私はこのことを男性が子育てに積極的になるがゆえに生じる「皮肉な葛藤」と呼んでいます。
子煩悩な旦那さんをもつ奥さんは「おたくはパパがいろいろやってくれていいわよね」と言われてしまうことがよくあると思いますが、そういうママほど、この「皮肉な葛藤」に心を痛めていることもあるのです。
だからパパとしては「オレも育児を頑張ろう」と思うのはいいのですが、ママの聖域を脅かしたり、ママの育児を否定することのないように気をつけなければなりません。
一方、「子育てはキミに任せた」というのは一見放任のように見えて、実はママの子育てを信頼しているということともとらえられます。
任されてしまう大変さはあるものの、自分の好きなように子育てできるというメリットがあります。実はこれ、忘れられがちな観点なのです。
では、やっぱり男性は、張り切ってイクメンを気取ったりしないほうがいいんでしょうか。
イクメンの究極のメリットとは

葛藤を乗り越えるごとに家族の絆は強くなる
「皮肉な葛藤」とはいいましたが、それって決して悪いことばかりではありません。子育てについて、細かい部分で意見が食い違うことがあったとしても、「子どものために」という思いは一緒です。
「飲みに行って帰りが遅い」だの、「浮気をした」だのという話しでケンカをするのとはわけが違うのですから、決して無駄なエネルギーを使うわけではありません。葛藤も乗り越えれば家族の絆を深める糧になります。
ときにケンカもしながらも、お互いの考えを話し合い、違いを認め合い、思いを少しずつ共有することで、人間関係は進化します。夫婦関係や家族関係も同じです。パパとママのそんなやりとりを見て、子どもは「人はぞれぞれ違う考えを持っていていいんだ。人は違いを認め合い、尊重することだってできるんだ」ということを学ぶはずです。
ものすごい勢いで夫婦喧嘩した翌日になんだかいつもよりもラブラブしているパパとママを見て、「人間って、ケンカしても仲直りできるんだ、愛し合うってこういうことなんだ」ってことを子どもながらにじんわり感じることができると思います。パパとママ以外に、誰が子どもに「本気のケンカから相互理解へのプロセス」や「ケンカをしてでも愛し合う男女の姿」を見せることができるでしょうか。
パパとママのとっても人間くさい関係を目の当たりにしてきた子どもたちは、将来、友人とちょっとケンカをしたからって簡単に絶交しちゃうような若者にはならないと思います。会社の上司にちょっと怒られたからって出社拒否になったりしないと思います。
「人を愛し、信頼し、思い切りぶつかることもできる」。人生において、これ以上の「財産」ってないのではないかと個人的には思います。私はこれこそが、パパがママに子育てを任せきりにしないこと、つまり「一家に1人イクメンがいること」の究極のメリットだと思います。
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